シェムリアップの雨季の楽しみ方

雨季のスコールの中、ヘッドライトを点けて走る車とトラック シェムリアップ情報

事件は、夕方に起きた。

夕方のシェムリアップ。空はみるみる灰色を通り越して、白く煙り始めた。これは執筆時点の話だが、その日は激しい雷雨がおよそ1時間、休むことなく降り続いた。道路は水しぶきで白く霞み、車という車がヘッドライトを点けて、まるで手探りするようにゆっくり進んでいく。もはや視界の主導権は、完全に雨に握られていた状態だ。

地元民、動きが速すぎる。

だが、ここからが面白い。この爆弾みたいな雨に対して、シェムリアップの住人たちの反応は、驚くほど冷静だった。バイクに乗っていた人は、サッと雨ガッパを羽織って、何事もなかったかのように走行を再開。お店の人たちも、雨が来る「気配」を察知した瞬間、テキパキと物を片付けて撤収完了。まるで訓練された部隊の動きである。彼らにとってこの豪雨は、事件でも何でもない。ただの「日常の一コマ」なのだ。

いつも濡れるのは、観光客と決まっている。

ここでひとつ、シェムリアップあるあるを置いておきたい。これだけ激しく降っているのに、誰も傘をささない。これは観光で訪れた方が、ほぼ100%の確率で驚くポイントだ。そもそもこの地域には「傘をさす」という発想自体があまりない。雨が来たら、近くの軒先やお店に飛び込んで、ただじっとやり過ごす。それがこの土地のスタイルだ。そのルールを知らずに歩いていると、あっという間に全身ずぶ濡れ、なんてことになる。ちなみにこれ、旅先の洗礼としてはなかなか強烈な部類に入る。

雨季攻略のコツは、ただ「待つ」こと。

とはいえ、シェムリアップの雨季は一日中降り続くわけではない。こういう強い雨が短時間でザッと来て、その後スッと晴れる、という展開が多い季節でもある。だからこそ観光のコツは、シンプルに「待つ」こと。無理に雨の中を突っ切ろうとせず、近くのカフェやお店に避難して、雨脚が弱まるのをのんびり待つ。これが、賢い過ごし方だったりする。

ついでに言うと、この時期特有の空気の匂いや、雨上がりのひんやりした涼しさは、ここに住む人間からするとかなり気持ちがいいものだ。写真の水しぶきを上げるトラックや車の様子も、まさにその瞬間の空気感そのもの。傍らで揺れる花が、妙に涼しげに映るのは、この激しさとのギャップのせいかもしれない。

アニキ、まだまだ加速する。

雨も、渋滞も、想定内。シェムリアップの雨季は、ちゃんと付き合い方さえ知っていれば、むしろ気持ちのいい季節に変わる。乞うご期待!

シェムリアップの「今」の様子や雨季の過ごし方のコツは、LINEやInstagramでも配信中です。旅の前に、ぜひ覗いてみてくださいね。

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